こどもカンタービレ

私が小学校卒業と同時にピアノのレッスンを辞めた理由は何だったのか。
私の育った環境は、それはそれは生活と音楽がまるで密着しておらず、ピアノのレッスンと小学校の音楽の授業と『ザ・ベストテン』と車の中で聞くAMラジオ位でしか音楽を耳にする機会はなかった。ようするに、レッスンと授業で聞くクラシックかテレビとラジオで聞く歌謡曲しか、私の周りには音楽は無かった。父や母が主体的に音楽を聞いているような状況は目にした事が無く、彼らがレコード等を買ってきたのなど見た事が無い。レコードプレイヤーはあったが、それで何か音楽を聴いた記憶と言えば、子供雑誌についてきたペラッペラの塩ビ版をとりあえずのっけてみた位なもので、まともなレコードなんざ聴いた事も無い。
そんな環境であった。
そんな環境に置いて、私の父と母が何故に我々兄弟にピアノを習わそうとしたのか、今となっては疑問以外のものが浮かばないが、私がピアノを辞めた理由、それは、音楽に興味を持たなかった、または、ピアノに興味を持たずにいられないような音楽に巡り合わなかった、ということだ。『もしもピアノが弾けたなら』なんつーヒット曲も、その当時は理解しようがなかった。洋楽なんてジャンルがあることすら知らなかったし、ビートルズさえも知らなかった。『凸凹大学校』に出てたずうとるびは知ってたけど、彼らが歌を歌ってたのを知ったのは随分後になっての事だ。
まあ、そんな感じであった。
というわけで、私が子供にピアノを教えるにあたり、生活に音楽の無い環境ではいかんと思う訳です。そんなんでピアノとかやらせたところで、うまくなるものもうまくならないし。
つーことで、とりあえずそこら辺にあったノラ・ジョーンズのCDなどをうちの子供に聞かせてみたりしたのだが、うん、無反応。まあ、子供だし。5歳児だし。
次にちょっとハードルが高いと思いつつもトム・ウェイツのCDなぞ掛けてみたりする。まぁ、手許にあったし。
・・・え? 大ウケ? いや、、、笑うところじゃないと思うんだけれども、、、 え? いや、ちょっと、、、え・・・?
おい、息子よ。なぜこの曲でそこまで大ウケしているのか。お父さんには全く分からんぞ、いや、ちょっと。まじでまじで。ほんとに。。。

クロージング・タイム
クロージング・タイムトム・ウェイツ

おすすめ平均
stars切ない
stars夜の、いちばん深いところで
starsこの若さでこの達観。渋いデビュー作。
stars牧歌的トムウェイツ
starsジャケも素晴らしいじゃありませんか

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